盗難

 去る2009年10月17日、盟友Gromex氏の2005年式豪州仕様CT110が盗難された。
奇しくも私はその日、今月になって新車のCT110を購入されたご近所さんの家へ伺っていた。
納車されたピカピカの車体を見させてもらい、12V化のお手伝いをすることを約束した日である。

 「盗難されたCTは恐らく二度と戻ってくることはないだろう。」と氏は述べる。
達観したGromex氏らしい言葉である。しかし盗人が所謂プロであるのは間違いなく、
冷静に考えれば、無慈悲ではあるが私もそう思わざるをえない。

 それにしてもGromex氏操る2005年式豪州仕様CT110、愛称センチピード号(*)。
納車後慣らしも終えてない状態でフルーツアタックに突撃したのを皮切りに、京都近郊のアタック
林道で快進撃を共にした。納車後一ヶ月で私が半ば無理矢理誘い、廃道古坂峠の藪の中へと
果敢に突っ込んだ。そして廃道探索、登山、クライミングを一括りにしても、あれを超えるエキサ
イトな山行は未だもって無いと言える新ホハレ峠探索。丸二日に渡る藪漕ぎで肉体精神共に果て
たところでのパンク修理も、今となってはかけがえのない思い出だ。

 あのCTが今は氏のもとには無い。それがただただ無念。それのみである。

* センチピード → 百足(ムカデ)の意

 
2006年夏 横山ダム上流にて

 

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