古坂峠2

 意を決して古坂峠より北側へと踏む込む。路面には 
枯葉や枯れ枝が堆積しており最近車両が通った痕跡な
ど微塵も見られない。山側から伸びる木々や崩れてき
た土砂でただでさえ狭い道が更に狭くなっている。こ
の峠道が現役だった頃に設置されたであろうガードレ
ールは赤茶色に錆びて朽ちかけており、この道が旧道
となり車両が全く通らなくなって相当の年月を経たこ
とが伺える。路面は前述の通り枯葉などが堆積しフカ
フカではあったが前進を拒む程のものでは無い。



山、そして崖から植生が迫り緑のトンネルと化す
 
倒木でひしゃけたガードレール

  旧道は山側と崖側、両サイドから植生が迫り緑のト
 ンネルと化し、最初は赤茶けて錆びていただけのガー
 ドレールも倒木などで潰されひん曲がり、徐々にその
 様相は荒れたものとなる。やがて鉄製のガードレール
 は無くなり、コンクリート製の低く心もとないものに
 変わる。よく見れば苔が生えている。道幅にも一杯に
 苔やシダ科の植物が生えているではないか。もはやこ
 こは旧道では無い。廃道なのである。



かなり派手な崩落現場 バイクでの通過はなんとか可能
 
道は徐々に植生に侵食されていく

 廃道古坂峠はいよいよその真価を発揮し私とハンタ 
ーに襲いかかる。途中、崩落箇所や倒木もあり緊張を
強いられた。しかしながらそれらより遥かに、山から
そして崖から侵食し、挙げ句には道の真ん中に立ちは
だかる植生が何より厄介で手強いのである。それらを
かき分けて前進するも一向に収まる気配はない。それ
どころかより一層ヒドくなるばかりなのだ。
 既に私もハンターもそしてデジカメまでもが蜘蛛の
巣まみれである。この蜘蛛の巣がまた気持ちが悪いの
だ。普段生活している家屋などのそれと比べて恐ろし
く弾力があり頑丈なのである。

  迫り来る植生と蜘蛛の巣に徐々に戦意は喪失してい
 く。そして生い茂る薮の中に倒木が現れる。それは山
 側から激しく倒れており人力での除去は困難である。
 上を越えるか、無理矢理下をくぐるか、切断するかを
 選択しなければならない。しかしながら労をはたいて
 ここを越えてもその先進んで行けるか全くもって解ら
 ない。道がその先に続いているように見えないのだ。
  ここで一旦ハンターを降り、徒歩での偵察をするこ
 とにする。           古坂峠3へ続く

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