古坂峠1

 古坂峠は兵庫県道12川西篠山線に存在し、城東トン 
ネルの完成によって旧道となった峠道である。この峠
の存在は全く知らなかったのだが、この辺りの旧廃道
を熱心に探索されているR173-NETのあきら氏に情報
をいただいたことがきっかけで今回の探索に繋がった
のである。なんでも峠より北側の荒れっぷりが凄まじ
く、薮と倒木にまみれた廃道であると言う。私の住ん
でいるところから比較的近くにそこまでの廃道がある
との情報に居ても立ってもおられず、ホハレ峠再探索
を秋以降に持越してやってきたのだ。今回は城東トン
ネル南側より突入することにした。

  現道から旧道に分岐するとしばらくは舗装路が続く
 がすぐに左画像の様な未舗装路となる。舗装が切れる
 ところにチェーンゲートが施されていたが、脇道を失
 敬させていただいて中に入らせてもらうことにした。
  ガードレールのない未舗装路ではあるもののフラッ
 トで概ね走り易い道である。崖下に現道が見え、車両
 の走行音が耳に届くので心細さも感じることなく進ん
 で行くことができる。

 しばらくカーブの連続する勾配を登って行くと、こ
のようなコンクリートと石で造られたガードレールを
見つけた。かつて車両の往来があったことを伺わせる
遺構である。それもかなり過去のものであると推測す
ることができる。
 路面状況は相変わらず、多少轍が深かったりする箇
所もあるがまだまだ走り易いレベルである。また途中、
道の一部が崩落していたり、山から土砂が崩れている
箇所も見受けられた。しかしながらバイクはもちろん
四輪車での通過も問題の無いレベルであった。



路面崩落現場
 
土砂崩れ現場

  やがて頭上に空が開け、切り通しに到着した。どう
 やらここが古坂峠のようである。意外だったのは思っ
 たより陽の当たる明るい峠だったことだ。事前調査で
 見た写真では鬱蒼と樹林が茂った暗くジメジメしたと
 ころのように感じられたのであるが、最近改修が行わ
 れたのであろうか。それとも訪れた時間帯が効をそう
 したのか。ともかく古坂峠の踏破を達成することはで
 きた。切り通しを北側に抜けた所が広場になっており、
 誰かが焚き火をした痕跡がみられた。林業に従事され
 ている方のものであろう。 まさかこんなところでキャ
 ンプをするような好き者がいよう筈もない。


 さて問題は峠より北側である。見るからに近年車両 
が通行した痕跡の無さそうな道と不法投棄されたテレ
ビが出迎えてくれる。道幅も峠以南のそれと比べて明
らかに狭くそして暗い。ここから先に何が待ち構えて
いるのか突入する時点では知る由も無かった。今回事
前調査というものを敢えて念入りにしなかったのだ。
これはORRの道路調査報告書でも実践されていること
であるが、現場での道の荒れっぷりをこの目で確かめ、
その衝撃を最大限感じたいがためである。そして幸か
不幸かこの後、それは想像以上のものとなって私を襲
うこととなる          古坂峠2へ続く


←探索トップへ戻る