八井谷峠2
一瞬、道が無くなっているように見え、やはり今まで 辿って来た道は八井谷峠へ続く旧道ではなく作業林道に でも迷いこんだのだと思った。しかし近づいてみるとそ れは土砂崩れだったのである。結構な高さがあり、さら に悪いことにこの土砂崩れの向こうに杉の大木が倒れて おり完全に道を遮断していた。もはやこれまでである。 しかし引き返すにしても先程の丸太製の橋をまた渡らな ければならないことを考えると頭が痛くなってくきた。 ともかく、もしここを越えられたとしても、その先に 完膚無きまでに崩れているような箇所があればそれこそ 二重苦を背負うことになる。 |
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ここはとりあえず落ち着いて徒歩にて偵察をすること |
![]() 日陰にはまだ雪が残っている |
![]() その先には轍に石が組まれた道が続いていた |
土砂崩れと杉の倒木を気合いと力技でなんとか越える。 土砂崩れは斜面に横倒しになっていた腕の太さ程の木を ナタで切り落とし、更に頂上部を覆っていた雑草を除去 してバイク一台分の道を整地した。土砂崩れの高さはだ いたい私の背丈程あり、かなりの斜度がある。 もちろん バイクを降りて"押し"で登頂。頂上部で勢い余って転倒 してしまったが登ってしまえばこっちのものである。杉 の倒木は予想通りハンターがくぐるのに充分な余裕があ った。しかし杉葉をモロに被ってしまい杉花粉症ではな い私でも目が痛痒くなってしまった。 |
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土砂崩れを越えてしばらく進むと切り通しのような所に辿り着いた。 どうやらここが八井谷峠のようである。それにしてもここへ来るまでに かなりの労力を費やしてしまった。そのぶん感慨深いものがあり、やは り峠越えというものはそれなりの苦労があってこそのものだと考える。 峠から先の路面は今までの草や薮の道とはうってかわって、土で踏み 固められた道である。しかしながらクレバスが続き、ハマってしまった ら一人で引き上げるのにはかなり困難を要しそうな箇所がいくつかあっ た。これもやはり昨年の大雨や台風で路上を濁流が流れて掘り下げられ たのであろうか。ともかく、峠以北はこれといった大きな障害は無くあ っという間に但馬トンネルの北側まで降りて来られた。 |
![]() 峠以北はこのようなクレバスが続く |
![]() 熊出没注意の看板。新道は目の前である |