九州遠征2

2日目 阿蘇−鹿児島

 1日目は阿蘇山の麓の道路脇の広場で野宿を敢行し 
た。風呂もこの野宿地の程くにあった阿蘇火山温泉で
ちゃっかり済ませておいた。が、さすがに阿蘇山だけ
あって夜は冷えこんた。夕方の時点で風呂で使ったタ
オルが固くなってしまう程だったのだ。この寒さと慣
れぬ野宿で2時間程しか熟睡できなかった。
 しかしながら朝テントから出ると雲一つない晴天で
ある。朝焼けに映えるカルスト大地にすっかり寝不足
も吹き飛んだ。2005年も残すところ今日一日…今日
は大晦日なのだ。今年一年の集大成として悔いの無き
ように走りたい。


一日目の野宿地にて 朝焼けに映えるカルスト大地


人吉ループ橋にある分岐。この先に旧道があるはずだが…

  この日の宿は鹿児島市のビジネスホテルを予約して
 おいたので、 鹿児島を目指しつつ道中気になるところ
 を探索する魂胆である。R443をひたすら南下して八
 代に出る。八代からR219に乗り人吉を目指す。目的
 は人吉とえびのを繋ぐ加久藤トンネル旧道掘切峠(加
 久藤峠)である。新道は人吉、えびの側両方にループ
 橋があり真ん中にトンネルが貫いているというダイナ
 ミックさである。こんな地形的にも険しい場所の旧道
 ならさぞかし凄いに違いないと睨んだからだ。
 しかし現場に来てみたものの分岐が多く何処が旧道の
 入口なのか全く解らない。しばらくこの付近を迷走す
 ることになる。


 やっとの思いで旧道らしき入口(無論うはうはダート)を見つけたところで、後から車が一台やって
きて声をかけられた。どうやら林業に携わる方のようだ。掘切峠に行きたい旨を伝えてこの道でいいの
かどうか尋ねてみるとよく解らないらしい。愛用の某地図を見せたのだが、これがいけなかった。掘切
峠付近は道路コメントが乱立されており非常に観難くなっていたのだ。林業の方が掘切峠と教えてくだ
さったのは一本東側にある林道だったのだ。とりあえず親切に教えていただいたので行かないわけには
いかない。しかし途中残雪がヒドく断念した。もう一度先程の旧道入口に戻ろうかと思ったが、恐らく
あちらも残雪で行く手を阻まれそうだ。既に気分も萎えてしまっていたので諦めて大人しく鹿児島へ向
かうことにした。後日、ネットで堀切峠を調べてみると想像通りかなり走り応えのある由緒ある旧道で
あったのだ。これは悔しかった。が、後の祭なのである。

 宮崎県から鹿児島県に入ると雲行きが怪しくなってきた。錦江湾が見えてきたところでとうとうポツ
リポツリと降ってきた。すぐさまカッパに着込む。今回のツーリングでは雨(と雪)が心配であったが
雨に降られたのは幸いにもこの日だけであった。天気が悪かったので鹿児島市に入っても桜島がイマイ
チはっきり見えない。さすがに前日2時間しか寝ていないので睡魔も容赦なく襲って来る。すぐさまホ
テルにチェックインし、シャワーで冷えた身体を暖める。あと荷物を最小限に押さえるために着替えも
3日分しか持ってきていなかったので、コインランドリーで洗濯をした。

 まだ夕方の6時前だったので、せっかく鹿児島に来たのだからと街を探索する。しかしながら大晦日
だけあって店も閉まっているところが多い。夕食を済ませようと俳諧するもさすがに一人なので小洒落
た店に入る気もしなく、やっとの思いで見つけたラーメン屋にて豚骨風味のやたらとたくさん野菜の入
ったラーメンにありつく。まずまず美味しかったと思う。
 ホテルに帰る途中でしこたま酒とつまみを買い込んで年越しの用意をする。旅先で年を越すのは初め
てであったが、していることは京都や実家にいる時とさほど変わらない。紅白、格闘技、お笑いと順番
にチャンネルを変えながら夜は更けていくのであった。午前0時なると同時に港の方から汽笛が聴こえ
たのが印象であった。明日はこの九州遠征でもう一つの目的が控えている。ベッドに入るや否やすぐに
眠りに落ちていった。                              九州遠征3へ続く             

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