・R418通行困難・不能区間(序章)

 もはや説明不要の酷道マニア聖地、国道418号線八百津町−恵那市間の 
通行止め区間である。ハンターカブを手に入れて以来、様々な林道旧道を
走ってきて「コイツで行けない道は無い!」という結論に達し、いよいよ
廃道というカテゴリに類される道にまで食指をのばすこととなった。
 R418のこの区間、2年前には車で来ている。その時は丸山ダムに鯉釣
りをしに来たのだが、恵那まで走破を目指すのは今回初めてである。
 季節は4月初旬。今年は例年より桜の開花が早く、この辺りの桜はちょ
うど満開の見ごろであった。



  この赤い橋の突き当たりを右に曲がるのが国道418号なのだ
 が道路標識には無惨にも×印がされている。通常ならば左に曲
 がり県道経由で恵那へ抜けるのだが、敢えて右に曲がる進路を
 とるのは地元の方、丸山ダム関連の工事の方、釣り人、そして
  私のような廃道を走ることを目的とする好きモノくらいである。

 先程の赤い橋を右に曲がり進んで行くとすぐにこんな感じの 
道になる。舗装はされてるが砂利や落ち葉が堆積してダートの
ようであるがまだまだ走り易いレベルである。
 しかし今回はR418のこの区間を走りながらなぜか違和感を
覚えている。怖さを感じない…。とても爽快なのである。
 この区間は木曽川の側崖沿い高くに道があり、薄暗くガード
レールも無く「おちたら死ぬ!!」の(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブルコ
ースなのだがやけに清々しい。
 ちょうど正午近くで陽射しが眩しく、小春日和のぽかぽか陽
気である。そして側道の桜は満開であるのが原因のようだ。

  この二股隧道なんかは2年前に来た時は中から冷気が白い煙
  となって吹き出しており、自分には霊感などというものは皆無
 であるが、このトンネルはヤバいと震えあがったものである。
 ここは地元では心霊スポットとなっており「なるほどこれはお
 化けが出ると噂になるのもうなずける」と感心したものだが、
 今回は白い煙も出てなく、少々拍子抜けである。ここまで来る
 のに1台の車両とすれ違うこともなかったが写真を撮影してい
 る時に1台のオフロードバイクが通り抜けて行った。おそらく
 私と同じ"好きモノ"であろう。軽く頭を下げて挨拶をした。


 二股隧道を抜けてしばらく進むと工事車両が置かれて通行止め 
になっていた。なんでも道が完全に崩れているらしい。
 ここで先程のオフロードバイクに乗っていた人がバイクを降り
て工事の看板や重機などの写真撮影をしている。話しかけてみる
とやはり私と同じ目的でやってきた"好きモノ"であった。


  バイクなら通り抜けられるだろうと思ってたが、重機の後ろへ
 まわってみると完全に道が無くなっていた。これでは機動性、走
 破性に優れたハンターカブでも無理である。オフロードバイク乗
 りの人は県道・町道を経由して向こう側からアプローチすると言
 って去って行った。その後しばらく休んでいたら工事関係と思し
 きライトバンがやってきた。工事用ヘルメットを被って重機の方
 へと歩いて行った。これなら復旧も時間の問題であろう。

 来た道を引き返し、県道で迂回するコースをとる。途中で十日神楽経由 
でR418へ抜けられる町道分岐があり、こちらへ行けば先程の崩落現場の向
こうへもアプローチできる。行くつもりだったがどうにも体調が悪い。昨
日までは仕事が激務で退社後、その足で京都から愛知県に住む友人宅まで
移動した。疲労で風邪をひいたのか鼻水くしゃみが激しかったので、出発
前に風邪薬と鼻炎の薬を飲んだのがいけなかった。無性に体がだるく眠い
のである。ここから実家のある飛騨地方へ帰る余力も残しておかなければ
ならない。このような劣悪な体調で通行不能区間に挑み走破できるほど酷
道418は甘くはないはずである。仕方がないが引き返そう。そして先程の
崩落現場が復旧してからまた改めて挑戦することにしよう。後ろ髪をひか
れる思いだったが撤収することにした。
 県道と十日神楽へ至る町道の分岐地点付近に公民館らしき施設があった。
そこの桜が満開でとても綺麗だったのでついハンターを停めて記念撮影し
てしまった。 この後、恵那郡の林道を繋いで実家へと帰る。ダートだと期
待してたが根こそぎ舗装化されていて、昨今の林道の現状を目の当たりに
することとなった。                   本編へ続く

←探索トップへ戻る