装備類あれこれ

 そういえば思ったことをぐだぐだと述べるこの雑記の最初のお題は防寒対策として主にユニクロ製品
を紹介していたと思う。あれから三年以上月日が流れたが、現在でもユニクロ製品は主力だったりする。
しかしながら単にハンターカブでの旧道・林道ツーリングから、徒歩による廃道歩きや藪漕ぎが加わるよ
うになってしまったのでこれまでと同様の装備というわけにはいかなくなってしまったのだ。それにビンボ
ー根性を発揮してそれらを修繕しながらずっと使っていたが経年劣化だけは如何ともし難く、物欲も相ま
って新調しなければならない状況に追い込まれたのである。

ブーツ Danner(ダナー) Marine Temperate
 まず早急に新調しなければならなかったのはブーツであ 
った。カドヤのエンジニアっぽいライディングブーツを11年
使い続けていたがさすがにもう限界であった。1cm程の深
さの水溜まりに一歩足を踏み入れただけで即座に靴底か
ら浸水するのである。何度かコーキング剤などで防水処
理を施してみたが無駄なあがきだった。
 まだ廃道歩きや藪漕ぎなぞしていない平和な頃は次買う
のはチペワのエンジニアだと決めていた。しかし無慈悲に
もかのような魑魅魍魎の世界に足を踏み入れてしまってい
るのでもうあの頃には戻れないのである。ライディングと歩
哨に適うもので且つヘビーデューティーで防水機能を備え
てるブーツをあれこれ悶々と物色する日々が続いた。

11年間苦楽を共にしたカドヤのライディングブーツ


米海兵隊用ブーツ Danner Marine Temperate
  アタック系の林道走行に興じている頃はガエルネのED
 -PROも候補にあったが、EDと名がつく以上当たり前なの
 だが主にレース用でデザインがイカつ過ぎる。これではツ
 ーリング先で街に繰り出すのに相当気がひけそうだ。やは
 りある程度カジュアルに履けるデザインでないと、、などと
 一足に多くを求めてしまうのが悲しき貧乏人の性である。
  そしてその貧乏ライダーに選び抜かれたのが米海兵隊
 用のデザートブーツDanner Marine Temperateであった。
 ライニングはゴアテックス、アウトソールはビブラム・シエラ
 ソールである。某巨大掲示板の軍用品で登山をするスレ
 だったか、重いことを除けば海兵隊ブーツはかなり使える
 との情報を鵜呑みにして購入を決意した次第である。

 この海兵隊ブーツであるがDannerJAPANでは取り扱 
ってないので本国から取り寄せなければならない。ヤフー
オークションで個人で本国と取り引きしてる方に取り寄せ
てもらった。値段は全て込みで\37,800。本国での値段は
US200$なのでひょっとしたら自分で個人輸入した方がも
っと安くなったかもと考えたが、万が一サイズが合わなか
った場合の交換も可能とのことだったので依頼することに
した。DannerJAPANではDESERT Acadiaというデザート
ブーツがラインナップにあるが、こちらはライニングが吸
汗速乾性のあるドライレックスが採用されてるので完全
防水ではないのである。値段も\57,750とちょっと手の届く
範囲ではなかったりする。

踵に米海兵隊のマークが刻印。薄くて画像では見えない(´д`;)

 さて肝心の履き心地であるがこれが最高によろしい。ダナーのブーツはとても歩き易いと定評がある
が実際履いて歩いてみてなるほどさすがだと感じた。これで開門岳にも登ったし、近隣の低山にも登り
まくったが、重さを感じさせることはなくとにかく歩くことが楽しくなるブーツである。クッション性は快適、
ビブラム・シエラソールもザレ場や岩場問わず良くグリップしてくれる。新ホハレ峠攻略時に導入したト
レッキングシューズ(Merrel カメレオン2)のような俊敏さ軽快さは無いが、脛までカバーするので安心
感が違う。ただ軍靴であるが故に編み上げ式なので脱ぎ履きが面倒なのが泣き所である。
 ライディングに関してはシフトチェンジ、ブレーキ操作も何の問題も無い。ただカドヤのライディングブ
ーツに比べて皮の厚みが薄いので転倒などのアクシデントが若干心配であるが、そこは限界性能が高
くないハンターなのでなんとかなるのではと思っている(アタック林道に行く機会も減ったし(´д`;))。
そしてゴアテックスの防水性能であるが九州ツーリングで丸二日間雨の中を走行したが浸水は全く無し。
さすがである。あとはブーツの耐久性であるがそこはヘビーデューティーな軍靴なので10年はもってく
れることを期待している。ビブラムソールなのでソール交換可能というのも嬉しい(その前にゴアテック
スのライニングがダメになりそうな気もするが)。
 あとカジュアルに履けそうというのがあったが、スエードの色合いとベージュのソールが相まって持っ
ている服などに意外と合わせ難かったりするのがちょっと誤算であったorz。

ジャケット フェールラーベン G1000フィールドシステムジャケット

 ライディングジャケットはユニクロ謹製エアテックジャケット2003年度版をなんと三年近く主力で使って
いたのである。ただこのエアテックジャケット、街乗りでは良いものの真冬のツーリングでアウターとして
着るのはかなり頼りなかった。ジッパー部分から風が侵入してきて身体をジワジワと冷やすのである。
なのでこの上に合羽を羽織って風をシャットダウンしていた。それでほぼ無敵と言えるくらいの防寒性能
を得ることができた。ライディング時、エアテックジャケットは保温インナーとして用いるのが賢い使い方
だと某巨大掲示板のどこかのスレで読んだがまさにその通りである。
 エアテックジャケットの方はまだまだ使えそうだが、四年前に釣具屋で\1,980で購入した合羽の方がい
つ逝ってもおかしくない状況であった。そこで今度は普段の通勤時や街行きにも使えそうなカジュアルな
合羽もしくは防水性能を備えたジャケットはないものかと悶々と探すのであった。

 部屋にはなぜかスウェーデンのアウトドア用品メーカー"フェールラーベン"のカタログが転がっていた。
これは新ホハレ峠探索の為に買った靴"Merrelカメレオン2"を購入したのがフェールラーベンの店舗だ
ったのでその時によかったらどうぞと貰ったものである。カタログを眺めるとこれがまた他人と同じもの
はイヤ
ハンターカブオーナーの性をくすぐるアイテムがてんこ盛りだったのである。これにまんまと
やられてしまった。機能性とコストを重視するとmont-bellのストームクルーザージャケットあたりがベスト
チョイスであったのだが、こうなってしまうと比較的マイナーなメーカーのフェールラーベンしか眼中に無
くなってしまった。とりわけ私が気にかけたのはフェールラーベンが開発したG1000という素材を用いた
ジャケットである。G1000とはポリエステル65%とコットン35%の混紡糸を高密度に織り上げ、軽量であ
りながら非常に高い耐磨耗性を実現した素材である。そしてミツバチのロウとパラフィンから作られたグ
リーンランドワックスを生地に含浸することで防水性、撥水性、防風性、防汚性を自分で調整できるの
である。このロウをジャケットに塗るというのに豪く惹かれてしまった。自分の使うものにあれこれ手をか
けるのが好きなのである(そうでなければ二十年以上も昔の年式のハンターのオーナーなぞやってられ
ない)。しかしいくらロウのワックスを塗りこむといっても、ゴアテックスなどの完全防水+透湿素材を用
いた全天候型ジャケットに比べれば防水性は遥かに劣るのはカタログスペックなど見なくても明らかだ。
この完全防水というキーワードがひっかかって購入に踏み切れず悶々と過ごす日々が続く。しかしフェ
ールラーベンの店舗へ実際に物を見に行ったのが運の尽きであった。店員さんが実際にG1000素材の
生地にワックスを塗って霧吹きで撥水性が如何なるものかデモンストレーションしてくれたのである。そ
れから次の一言が決め手となった。「G1000はデニムの2〜3倍の強度があると言われています」
(カタログの数値上では2.5倍程)私は”○×の〜倍強い、〜倍速い、〜倍長持ちする”のフレーズに
とにかく弱い。それだけヘビーデューティーな素材ならば藪漕ぎにも使えるではないか。そんなわけで
G1000フィールドシステムジャケットを購入すると決意したのである。(同社のダイナモナスというケブラ
ーを10%含んだ素材を使ったフォートレスシリーズがより強度が優れているということでこちらも薦めら
れたが私はワックスを塗りたかったのでG1000にしたのであった)
 ちなみに店舗へ見に行った時は衝動買いをねじ伏せるべく敢えて手持ちを持たずに赴いたのだが、と
数日後ネット通販でかなり割引されて売り出されているのを見つけた。かなり良心が痛んだが結局通
販で買ってしまったのであった(店員さんホンマにごめんなさい)。しかしその後同じG1000生地のジー
ンズを店舗で購入。その時にいたたまれずごめんなさいと謝った、、。


G1000フィールドシステムジャケット カラー:トープ
 
グリーンランドワックス これをG1000生地に塗りこむ

 ワックスはかなり固くこれをG1000生地にすり込んだ後にドライヤーで熱風をあてて馴染ませる(ア
イロンでもよい)。一番最初にこのジャケットを使ったのは昨年末の
九州ツーリングだったので、ワッ
クスは三度ほど繰り返してかけておいた。ワックスをかけると生地が若干固くなるが独特の風合いが
出てよい感じだ。いきなり雪の中を15分程走ったがしっかりと撥水してくれた。雨中でも15分くらいは
撥水してくれるので通勤時、会社の行き帰りも雨が降っていても大丈夫だ(スコールのようなどしゃ降
りではまだ試していないが、、)G1000生地はノーワックス状態だと通気性がよく春秋にも使えそうだ。
あと撥水しなくなって湿った状態からすぐに乾いてくれるので使い勝手がよい。

 さらにこのG1000フィールドシステムジャケットだが、 
内側にジッパーがついていて同社の様々なウェアをラ
イナーとしてジョイントできるのである。しかし言わずも
がなそれなりのお値段なので私のような貧乏人がほ
いほい買える代物ではない。しかしなんとこれにユニク
ロ謹製エアテックリバーシブルジャケット、プレミアムダ
ウンライトウェイトジャケットがジョイントできるのである。
(いずれも06年度バージョン)これを発見した時に狂喜
乱舞
したのは言うまでもない。ただフェールラーベン製
のものと違って後襟と袖口を留めることができないので
着脱時にちょっと気を使わなければならない。

ユニクロ謹製プレミアムダウンライトジャケットをジョイント

 はてさてカジュアル的にも使えるかもと睨んで購入したG1000フィールドジャケットだが、白人体型
に合わせて作られているからか最小サイズがM(欧米S)までしかなく身長165cmの
純日本人体型
の私にはやや大き目である。なんというか私が着るとホームセンターやワークマンで買える防寒人
夫服にフェールラーベンのキツネマークを取って付けただけに見えるが気にせず行くことにする。


ザック オスプレー エクスポージャー42
    これまでザックは12〜13リットル程のユニクロ謹製のデイバッ
 クとメーカー不詳の25リットルのデイバック(ウェストベルト無し)
 しか使ったことがなかった。昨年の新ホハレ峠探索時に40リット
 ル位の中型ザックの必要性を痛感して購入した。なぜにオスプレ
 ーを選んだかというと背負い心地の良さもそうだが、同社のみさ
 ごのロゴとエクスポージャーシリーズのソラリスイエローのカラー
 リングが格好良いと思ったからに他ならない。エクスポージャーシ
 リーズの42リットルモデルのみパネルローディング(背面がほぼ
 フルジッパーでガバッと開く)だが、ものぐさな私にしてみれば好
 都合なのであった。クライミングの道具類やスキーなどを取り付け
 るツールが充実しており、あれこれついてるので藪漕ぎにはどうか
 と思ったが藪漕ぎする時はレインカバーをつければ良いのである。
 このザックのデビュー戦はいきなり廃道しかも藪漕ぎだったが実
 に背負い易く、ブッシュの通り抜け、倒木のくぐり抜けも問題無し
 であった。これで新ホハレへ行ってたら終盤バテずに済んだのに。

 いつかはこのザックを用いてバックカントリーをしたいと願っている。冬のホハレ峠などを訪れたいと
思っているがいつになることやら、、である。

アイスアックス シモン スーパーフォックス ピオレ
 藪山登山を熱く語るページで泥壁やガレやザレを登る 
時にアイスバイルが重宝すると言うことでついつい買って
しまった。完全なる衝動買いである。ただ以前より崩落地
点などを高巻きする際にこのようなものがあればもっと楽
に早く登れるのではとイメージしていた。実際に使って泥
壁を登ってみたが面白いくらいにサクサク登れた。ただし
これが無くても泥壁部分の登攀を止めて草や木など手掛
りにできる物が多い斜面を選べば良いのであるのだが。
 形状がブレードタイプ(ピオレ)かハンマータイプか(マル
トー)で散々迷ったが、ハーケンは打たないということでブ
レードタイプのピオレを選んだ。これがあれば新ホハレ探
の時にビバークせず日没までに門入へ行けたはずだ。
 


最後にユニクロ考察

 この冬のシーズンで一気に貧乏人らしからぬ装備を新調してしまったがユニクロ製品も健在である。
というか上記装備以外は全てユニクロ製と考えていただいて結構である。ヒートテックシャツにヒートテ
ックタイツ、ヒートテック靴下、フリースにパンツまでユニクロ製品だ。
 このシーズンで四回目の冬を迎えたエアテックジャケットとエアテックパンツも、それぞれエアテック
リバーシブルジャケットとエアテックカーゴパンツに新調した。それらを実際に手にして以前に比べて
かなり作りが悪くなっていることに愕然とした。特にエアテックリバーシブルジャケットは著しく(現物を
確認せずオンラインストアで購入したのが仇となった)、ジッパー内側のフラップも無く全体的にペラペ
ラでなんともチープなのである。エアテックパンツも三年前に店頭に並んでいたものと比べて明らかに
薄くぺらぺらでチープになっているのであった。エアテックリバーシブルジャケットの方は新ホハレ峠探
索で使って以降は仕事用の防寒着に転用した。Sサイズを買ったのだがこれがまた小さくて着用する
とちんちくりんなのである。よくよくユニクロのWebサイトのラインナップを見るとオンラインストア限定
でエアテックジャケットなるものがある。こっちの方は三年前のエアテックフライトジャケットと同じ品質
を保っていることを切に願う。

 そしてこの冬の暖冬のスキをついてプレミアムダウンライトウェイトジャケットも購入した。平時の価
格は¥5,990とユニクロ製品にしては高いのだが、¥1,990まで値下がりするまで虎視眈々と待ってい
たのである。底値がついた時に透かさず買うのが真のユニクロ使いなのである。と、いい気になっ
ていたらその一週間後に¥990まで値下がりしたのであった、、。

 はてさて装備を新調したことにより、これまでの貧乏臭さが無くなって寂しいと思われる御仁もおら
れることだろう。しかし貧乏根性を発揮して上記装備のままで最低五年は行くつもりであるので安
心してもらいたい。ツーリング時に調達する食料品などはもちろん全て「〜¥引き」のステッカー入り
なことに変わりはない。

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