廃道探索の怖い話〜マダニ〜

 3月頭の話である。廃道Webマガジン”日本の廃道”編集長のnagajis氏が自身のWeb上で
京都醍醐に物凄い物件があると書いておられるのを見かけた。あのミスター廃道がこんな物
件は今後出てこないかもしれないとまで言っておられたので非常に気になり、メールで問い合
わせすると現地のアクセス方法などをとても丁寧に教えてくださりなんと地図まで送って頂いた。
 そして現地の醍醐寺水晶谷近辺と言えば今や廃道探索には欠かせないパートナーであるグ
ロメク氏である。氏は新ホハレ峠道探索前に5kgの鉄アレイをザックに忍ばせてこの界隈で肉
体鍛錬をしていたのである。ひょっとしたらこの件の廃道について既に何か知っているかと思い
尋ねてみると、化石や水晶が取れることで京滋の冒険少年のメッカであるということ以外は知
らないらしい。そして休みの日の朝に携帯電話で氏に叩き起こされ半ば無理矢理現地の探索
に連れて行かされたのである。

 この醍醐の廃道であるが、nagajis氏をあそこまで言わしめるだけのことはあった。道の残り
具合といい、途中現れる遺物といい見所も多い。藪の密度も新ホハレ峠みたく同行者同士いつ
殴り合いが始まってもおかしくないくらいのイヤらしいものでは無く、あくまで藪漕ぎを楽しめる範
囲の絶妙な密度であった。この物件に関しては4月発刊の日本の廃道でnagajis氏が全貌を明
らかにするとのことなので楽しみにしてもらいたい。

 さて本題はここからである。この探索を堪能して帰ってきてからの出来事である。
ある日、チ○コの先っちょに直径3mmほどの血豆ができているのを見つけた。どこかで悪い病
気をもらってきたかなぁと思ったがここのところストイックな生活を慣行していたので全く思い当
たる節が無い。心配ではあったが、時々仕事中に荷物の積み下ろし時にチン○を強打するこ
とがあったのでその際にできたものだと思うことにした。放っておけばそのうち治るだろうと考え
ていたのである。
 そしてこのチ○コの先の血豆を初めて見つけてから5日ほど経った時のこと。その血豆がや
や緑かかった白色になってプラプラ外れかけていた。おっ、やっと取れそうだと思い”かさぶた”
を剥がす要領で外しにかかるがこの白い血豆の先端0.3mmくらいがまだチ○コに食いついて
いるのでチ○コの亀の頭さんが引っ張られてビローンと伸び、無理矢理外すのはちょっと痛い
かもという感じである。うーん、もう少しで外れそうなのに如何にしようかと白くなった血豆を見
ていると、ふと嫌な予感を覚えた。まさか じゃないだろうなと思ってその白くなった血豆を裏
返してみて愕然とした。

マダニである((((;゜Д゜)))ガクガクブルブル

 裏側には足らしきものがついていたのである。すぐにパソコンを立ち上げインターネットで
ダニ
を検索する。間違い無い。Web上の画像のそれと全く同じヤツが私に引っ付いていたので
ある。それもチ○コの先っちょであるorz 正直、気を失いそうであった。いっそのことこのまま
気を失いたいくらいであった。しかしそれでは事態は解決しないと自分に言い聞かせて半泣き
でWebで情報収集に努める。病院に行くことも考えたが夜中11時を回った時の出来事だったし、
まして患部はチ○コであるので冗談じゃない。Web上で紹介されていた経験談と同じようにマキ
ロンで徹底的に消毒して気合一発ピンセットで引き抜くことにした。コイツを抜くのに気をつける
点はとにかく身体を潰さないことである。もし潰してしまうと一旦コイツが吸った血液が私のチ○
コに逆流する恐れがあるからだ。コイツが病原菌持ちだった場合、その際に感染してしまうの
である。あとチ○コに差し込んだ口器部分を残さないようにしなければならない。何度もイメージ
トレーニングを繰り返した後、自力で除去を決行。痛いっ(T▽T)
除去時にブチッと音がしたがマダニを潰すこと無く剥がすことができた。引き抜いたマダニの口
からブシュッと血が吹き出す。全く気持ちが悪い。どうやらマダニは既にチ○コに引っ付いてい
る時に絶命してた模様である。血を吸われた部分は虫刺されの跡のように赤く腫れており、チク
チクした痛みを覚える。ひょっとしたら口器部分が残ってしまったかもしれないと心配して引き抜
いたマダニを観察するがよく確認できない。とりあえずコイツは検体として保存することにした。

 もうひとつの心配である病原菌の感染であるが、感染症を引き起こす病原菌を持つマダニは
長野県以北に生息しているとのことで、まぁ大丈夫だろうと自分の中で思っていた。しかしWeb
上でも実際に人に相談しても皆一様に口を揃えて「一応病院に行った方が良い」と言うのであ
る。一人でも「んなモン、赤チンでも塗っときゃ大丈夫だ」などと言ってくれる御仁がいれば病
院なぞ行かなかったのであるが皆無であった。このマダニの生息する廃道に同行したグロメク
氏などは「一番の弱点を攻めてくるとは敵ながらあっぱれ」「早めに美人医師のいる皮膚科
探して行った方が賢明ですわ。アーメン
」などと言うのである。まったく仲間思いのパートナー
である。それにしてもグロメク氏は大丈夫でなぜ私だけが、、。おそらくは道中三度ほど立小便
をしたのであるがその時にヤられたのではと考えている。御山で立小便なぞまったく不届き千万。
そのバチがあたったのであろう。

 翌日、近くの皮膚科に検体を持って受診する。タレント兼医師である西川史子ばりの女医の
触診(触チン)を期待したが男性の医師であり、患部の診察もなかった。もっと驚くかと思ったが
ノーリアクションでそれがどうしたという感じで妙に淡々としていたので拍子抜けであった。看護
師さんにはウけていたが、、。感染症が心配だと相談するがやはりまず心配は無いらしい。それ
でも釈然としない私をみて大事をとって5日分の抗生物質を処方していただいたのであった。

 あれから一週間が経ったこの文章を書いている現在、虫刺され跡のような腫れも一皮向けて
チクチクした痛みもだいぶ和らいでいる。もちろん感染症の症状も出ていない。
 今回の私の失態を多くの廃道探索家の御仁に役立ててほしいと願っている。なお自ら廃道探
索の第一線にあるものがパンツの中にマダニの侵入を許し早期発見できなかったことを、
心より恥じる。                                    漂ヘド沈マズ管理人

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