堀越峠(当時のままの姿で残っている旧道の峠道)

 掘越峠は国道162号、周山街道の京都府と福井県の県境にある 
旧道の峠である。もともと未舗装であったものが昭和49年に掘越
トンネルが開通して以来、そのままの形で残っているのだ。
 京都側から福井県に向かって北上しているとこのような分岐が
現れる。 右側に降りて行くのが旧道である。旧道に入らずに直進
すると掘越トンネルがあるのだが、これが結構長いのだ。このこ
とからも峠は険しい道程となるのは簡単に推測できる。
 旧道に入るとすぐに未舗装路となり、しばらくは新道の脇下に
沿って進むが、やがて上がり坂になりどんどん標高を上げて行く。


  未舗装路であるがフラットで非常に走り易い。ただし
 杉林に覆われて展望は全く望めない。さすがに元国道だ
 けあってところどころに朽ち果てたガードレールがある
 のだが、ほとんどが無惨に折れ曲がって谷に転落してい
 る。旧道となって30年の月日が流れたのは伊達ではない。
   聞くところによるとこの道を路線バスが走っていたと
 いうのだから驚きである。バイクだからのほほんと走っ
 ていられるが四輪だとガードレールがないので崖と対向
 車に恐れおののきながらの走行になるのは必至である。

 やがて峠と思われるところを通り過ぎるとこのような 
分岐に辿り着く。鋪装されている方を登っていくとNTT
の施設があるらしいがゲートで閉ざされていた。おそら
くこのNTTの施設へ行く為にこの旧道は最低限度車両が
走れるように整備されているのだと思われる。
 それにしてもここが峠だということを示す標識等が一
切無かったのが寂しい限りである。
 ここまでの路面は相変わらずフラットで普通乗用車で
も全く問題なく来られそうである。 ただしガードレール
も無くその先は結構深い谷なので運転には細心の注意が
必要なのは言うまでもない。

  峠を越えると福井県に入る。京都府側に比べて落石が目立って
 きた。路面状況もやや荒れだして左画像のような箇所もあった。
 谷も京都府側より更に深くなり、転落している廃車両も発見した。
 遠くからみても相当古い車であることが確認でき、やはりこの峠
 道はかなりの難所であったことを物語っている。
  ここまですれ違う車両は一切無かったが、カメラで道を撮影し
 ながらのらりくらり進んでいたら一台のオフロードバイクが頭を
 下げて追い越して行った。 この峠道の下を走る国道162号周山街
 道は京都のライダーの必修コースであり、訪れるオフロードライ
 ダーも多いはずである。後日訪れた時には山菜採りに来たと思わ
 れる普通乗用車も見かけた。NTTの施設もあることだし、この旧
 道はこのままの形でずっと残されそうなのが嬉しい。

 どんどん標高を下げて行き、やがて新道と合流する。福 
井県側からは名田庄村の看板が旧道の入口の目印である。
福井県側が若干荒れてはいたものの、概ねフラットで走り
易いダートであった。展望はほとんどないが、谷も結構深
くそれなりのスリルも楽しめる。
 初めて未舗装路を走る方に適した道であると言える。私
も大見尾根ではなくここを走ればよかったとつくづく思っ
た程である(;´Д`)


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