フルーツアタックリベンジ

 裏山死線を攻略した数日後、私のMacintoshに画像が添付された一通の 
メールが届いていた。差出人やメールの本文よりまず先に添付画像に目が
いったのであるが、ハンターでなにやら凄いところを走っている画像であ
る。一瞬当サイトとリンクを貼らせていただいているRoom full of mirrors
の管理人さんと見間違えたが、よく見ると微妙にライディング姿勢がぎご
ちなく不自然である。差出人を見てやっと正体が解った。アタックコース
特攻隊員のグロメク氏である。なんとフルーツアタックの攻略に成功した
との報告であった。しかも大雨後のヌタヌタチュルチュル路面の激坂を副
変速機で地味にネチネチと登ったとのことである。ちなみにこの画像は自
身をセルフタイマーで撮影したらしい。まったく。氏は監督と男優、カメ
ラマンを兼ねる村西とおる氏のような林道アタック界のハメ撮り師である。


  ともかくこれまで当サイトでは通行不可とされてい
 たフルーツアタックであるが豪州05年式ハンターが走
 破できたということは不可の二文字は不要である。が、
 実際に私自身が走破してみないことには不可の文字は
 消すことはできない。正直、とんでもない斜度に木の
 根っこや岩盤、クレバスなどの障害物が加わっている
 あの激坂を副変速機を装備していない国内式ハンター
 で果たして走破できるか自信が無かったのである。
 グロメク氏は裏山死線のガレ激坂に比べたら斜度も難
 易度も下だと評していたが俄には信じられない。

 そして季節は過ぎ6月に入ってようやくリベンジを 
果たす時がやってきた。しかしながら未だに今年二月
に悶絶し敗退してきた時の印象を拭い去ることができ
ていない。そこでギヤセッティングは隠し刀として温
存していた9丁のフロントスプロケットを装着した。
F9丁R41丁とすることで副変速機を用いた場合のギヤ
比にかなり近づけるのだが、F9丁を使うとなるとチェ
ーンも短いものに換えなければならないのだ。タイヤ
の空気圧も極悪路面でのグリップを得る為に落とせる
だけ落とした。まさに今回の国内81年式ハンターの
セッティングはフルーツスペシャルなのである。


  81式ハンターのセッティングが完了し、いよいよア
 タック開始である。F9丁まで下げた81式ハンターの突
 進力は凄まじいものがあった。スロットルを開け過ぎ
 るといとも簡単にフロントアップする程である。最初
 はこのじゃじゃ馬さに人間が全く着いていけずに難儀
 した。しかしながら石がゴロゴロ転がっているような
 ところでもグイグイと前進していくのだ。
  そして今年二月にハンター二台をもってしても越え
 ることが叶わなかった極深轍箇所である。"押し"でハ
 ンターを静止させるのが精一杯だったこの箇所も今回
 のフルーツスペシャルセッティングの敵では無かった。

 極深轍箇所をいとも簡単にクリアし、続いては木の 
根っこ激坂だ。ここでじゃじゃ馬となった81式ハンタ
ーはマクレ寸前となるがなんとかねじ伏せて乗り越え
ることができた。そして右画像箇所でハンターを停め、
記録活動をする為に徒歩で一旦戻ることにした。
 グロメク氏と路面を検証してみたのだが極深轍箇所
はなんだか今年二月に比べて浅くなっているんじゃな
いかいうことだ。確かに以前のような凶暴さがマイル
ドになった気もしないでもない。これまでに名立たる
アタックコースを攻略してきたせいですっかり目が肥
えてしまったのだろうか?


マクレ寸前になった木の根っこ激坂
 
激坂の路面にはなんとキノコが生えている。恐ろしい。

  これまで先行していた05式ハンターに代わり81式ハンターが先に行く
 ことになった。坂はキツいものがあるのだがさほどガレていないし、洗掘
 もハンターの許容範囲の深さなのでサクサクと登って行くことができる。
 それにしてもF9丁までローギヤード化したハンターは全く別の乗り物にな
 った感じである。やはり副変速機がついているハンターの戦闘力は凄いの
 だと今更ながら思い知らされた。国内式だとフロントスプロケとチェーン
 も交換しなければならないのだが、副変速機があればレバーをひねるだけ
 で瞬時にローギヤード化できる。全く羨ましい機構である。
  そしてやはりタイヤの空気圧も前0.4後0.25まで落としたので抜群にグ
 リップするのだ。もはや無敵である。スロットルを開け過ぎると思いきり
 フロントが浮きバク転寸前になるのでそれさえ気をつければいいのだ。


 そしてフルーツアタック最大の難所、マリアナ洗堀のお出ましである。 
しかしこの難所もあっさりと「リアシートに座って足バタバタ走法」で全 
く苦労することなく越えてしまったのである。ここも先程の極深轍箇所と
同様マイルドになっている感じがする。今年二月に訪れた時は見るもおぞ
ましい凄い切れ込みの亀裂だったはずだ。短足ハンターでは完全に埋まっ
てしまう程の凶悪なクレバスだった記憶がある。グロメク氏も明らかに走
り易くなっていると言う。やはり道路は生き物であり、季節、風雨などの
自然現象、そして誰かが通ることによって常に変化しているということな
のであろう。本当にあっと言う間にフルーツアタックリベンジを果たして
しまったのであった。はてさて今後のハンターのステージが何処へ移るこ
とになるのであろうか。これもまた頭の痛い話であるorz


 今年二月に敗退したのは路面状況も悪かったというのもあるが、やはりハンターに乗り慣れていなか
った(セッティングの不備)これに尽きるのではと思う。これまでいくつものアタックコースで鍛練を
積み重ねてきたわけだが、決してそれは無駄ではなかったのである。そしてまだまだ05式ハンターと
81式ハンターの飽く無き挑戦は続くのであった。                      

今回の81式ハンターセッティング
タイヤ F Dunlop K860(70/100-17)、R Dunlop K860
空気圧 F0.4、R0.25
スプロケット F9T、R41T

昼食   おにぎり3つ、からあげ串
おやつ  チロルチョコ2つ 


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