・オイルドレンボルト雌ねじ修理

 クラッチ交換の時に舐めて損傷してしまったドレンボルトの雌ねじ、1ヶ月程応急処置を施したまま
走らせてたが特に漏れ等のトラブルはなかった。が、精神衛生上非常によろしくなかったのできちん
と修理することにしました。
 しかしこのドレンボルトの雌ねじ、クランクケースに直接ねじ切られており修理するとしても非常に
厄介である。エンジンを脱着、分解してクランクケースをまるごと交換するのがベストなのだろうが、
とてもじゃないが手間がかかりすぎる(;´Д`)どうせ分解するのならピストンやカムチェーンなど
を交換して徹底的にオーバーホールしたいし、走行距離は24,000km…エンジンはすこぶる快調なので
そこまでやるにはまだ時期尚早な気もする。それにハンターカブは私の唯一の足なので、長期ガレージ
行きはスペアエンジンを手に入れるなりするまではなんとか避けたい。
 なんとかエンジンを脱着分解しないで雌ネジを修理する手立てはないものか…。

 いろいろ調べまくった結果、でてきた答えが「RECOIL 
リコイル」であった。潰れた雌ねじにバネのようなコイ
ル状のねじ山を埋め込むことで修復させるという代物で
ある。 以前まではヘリサート加工と呼ばれてたが、最近
はリコイルと称されてるらしい。しかしこのキット、非
常に値が張るのが難点である。このM12のリコイルキッ
トの額でドレンボルトが付いてる方のクランクケースが
買えるのでは?(;´Д`)
 ちなみに工具のコンビニ「ストレート」さんにて購入。
会員になるとかなり割り引きがあったし、なんたって同
じ市内に店鋪があったので。
 リコイル以外の修復方法…タップでひと回り大きいネ
ジを切る、 ネジリペアというケミカルを使う等の選択肢
もあったが、場所が場所だけに確実に修復したかったの
でこれしかないだろうということで決めました。



  リコイルの作業手順として、まずはネジ山となるコイル用のタ
 ップを切るための下穴をドリルなどで開けなければならない。
 しかし今回購入したリコイルキットはパイロットタップ付きのも
 ので、ドリルなどでの下穴加工が一切不要なのである。このパイ
 ロットタップが下穴加工とタップたてを同時にやってくれるとい
 うなんとも便りになるヤツなのだ。実はリコイルで修復するのを
 選んだのはこのパイロットタップの存在があったからである。
 エンジンを車体につけたまま、しかも使い慣れてないドリルで垂
 直に下穴を開けるのはかなり厳しいものがある。
  で、写真のようにストレーナーをはめ込むところにクッキング
 ペーパーを押し込んで、タップをたてた時にでるキリコが奥に入
 らない様にする。更に掃除機も待機させ、万全の体制で作業に取
 りかかることにする(;´Д`)



 パイロットタップに潤滑剤(KUREのCRC)をたっぷり
噴射してねじ山に締めこんでいきます。コイルのタップ 
部分に差しかかったら、そこから2回転締めこんで一旦
タップを引き抜き、キリコを掃除して潤滑剤を注油しま
す。それから一回転締めこんでは半回転戻す。これを慎
重に繰り返しました。失敗したらもう後がないものです
からもう (((( ;゚Д゚)))ガクブルもんでした。垂直に締め
込んでいってるかどうかも要注意です!
 しかし意外とあっさりとタップを切ることができまし
た。こうしてできたネジ山に付属のコイルをねじこむ専
用工具で挿入すれば修復完了です(左画像)。今回の場合、
コイルが長くてちょっとはみ出したのですが、これも専
用工具ではみ出た部分をカットすることができます。
 実はこのコイルの挿入、最初は中に入れ過ぎて失敗し
ました。そのまま締めていってコイル自体を貫通させて
なんとか取り出しましたけど(;´Д`)



  今度はトルクレンチを使って規定トルクで締め込むこ
 とができました!リコイルすることで元の雌ねじよりも
 断然頑丈になるとのこと。素晴しすぎる!\(^o^)/
 ドレンボルトは用品店で買ってきたアルミ製でマグネッ
 ト付きのものを装着しました。今までの不安を完膚なき
 までに払拭するべくワイヤリングまでしました(笑)
 これで大手をふって走ることができます。
  それにしてもこのリコイルキット。最初はかなり気合
 いを入れ、びくびくしつつ慎重に作業し始めたのですが、
 あっけないくらい簡単に修復できてしまいました。 さす
 がは到るところで名を轟かせてるだけのことはあります。
 値は張ったけど、全然納得できました!


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