ヌタ場リベンジ〜・大見尾根2007・〜

 今年に入ってからというものロープワークや岩登りに興じるようになって ハンターでの廃道探索や
猥褻林道アタックはすっかりご無沙汰であった。"飽くなき挑戦は続く!”などと豪語していたが、
どう鼻息を荒くしてもトライアル車やモトクロッサーの連中には適わないのである。それよりも小柄で
扱い易い車体を生かして気軽に初見の林道や支線に突っ込んでいけるのが最高なのだという結論
に達したのであった。(少々、、否かなり無茶をすればそれなりの走破性も引き出せるのは昨年
のアタック系林道を走行した時に証明されている)
 そんなわけで最近のハンターは登山道や岩場のある山域までのアプローチマシンになっていたの
である。リアタイヤもロード寄りのダンロップUniversal(しかも古タイヤ)に履き替え、望んでダートに
行くことはなくなってしまっていた。

 そして久しぶりに同じハンターに搭乗する廃道特攻隊員のグロメク 
氏を誘って、軽く近場の林道を流して鍋でも食べようということになっ
た。氏の方も最近パソコンを購入し、ネット三昧の日々を送っている
とのことである。それならちょうどよい。今回は激しい走行などは一切
無しのリハビリ走行、メインは鍋の方向で行くつもりであった。
 が、しかしである。数日前にグロメク氏から送られてきたメールには
ヘルメットにマウントされたカメラの写メが添付されていたのだ。
またしても氏にハメられた。このような完璧に近いカメラ車載システ
ムを構築されてはフラットな林道をちんたら走るだけでは到底済まさ
れない。さらに氏はPCで自身のツーリングの時の動画や画像を編集
して既に一件、ニコニコ動画にうぷしていたのである。しょこたんブロ
グやエロサイトを閲覧しているだけだと思っていたが甘かった。
 

    近場でハンターの走破性を如何なく発揮できる
 エキサイトな林道といえば大見尾根である。過激
 なガレやヒルクライムはないが、ここには無数の
 "ヌタ場"がある。ハンターの最大の特徴、アップ
 マフラーが伊達ではないことを証明させるのだ。
  そしてここには未だかつて単独での突破ができ
 ていない忌々しい難所がある。大見尾根の中で
 最大かつ最悪な”ヌタ場”通称ヘドロヶ沼である。
 昨年は水の底に沈んだ廃タイヤを巻き込み、屈
 辱的な敗退を余儀なくされたのである。今回は単
 に動画用の撮影に留まらず、ハンターの威信をか
 けてリベンジを果たさなければならないのだ。

 そしてあの忌々しいヌタ場の突破を最大目標と 
してマシンセッティングに臨んだ。昨年敗退した最 
大の原因は廃タイヤを巻き込んだことであるが、
リアタイヤをオン寄りのダンロップUniversalを履い
ていたことも挙げられる。そこで今回はマディやヌ
タ場に一番強いと思われる3.00サイズのダンロッ
プK350を敢えてチョイスした。サスがボトムすると
フェンダーに干渉してしまうのだが、あのヌタ場さえ
突破できればよいのである。スプロケットのギヤ比
はF14丁R41丁。R46丁を装備した予備ホイールを
使うことも考えたが勾配がないので前述のギヤ比
でいけるはずだ。
 

    ひさしぶりに3.00サイズのK350を履いて走った
 が、ダート特にマディでの安定性は抜群である。
 その他の2.75サイズのタイヤと比べると歴然の
 差である。しかしやはりボトム時に思い切り干渉
 してしまう。更に昨年の幾度ものアタックでフェン
 ダーやチェーンケースが変形してしまったのか
 通常走行時にも微妙に干渉している感じである。
  後ほどペンチで強引にフェンダーを折り曲げて
 通常時の干渉は収まったが(グロメク氏にチベッ
 トの板金職人のようだとお褒めの言葉を頂いた)、
 フルボトム時は避けられない。まったく、この3.00
 オフタイヤがちゃんと使えたら最高なのであるが。

久しぶりに大見尾根に来てみるとヌタ場の水が人為的に抜かれたようで、更に畳を敷いて通行し
易いように道普請されているのに驚いた。

 これではせっかくここまでやって来たのにリベン
ジが果たせないではないかと思いつつ、内心ラッ
キーと喜んでいたが、あの最大最悪のヌタ場は水
が抜かれることはなくしっかり残っていたのである。
 そしてここでこのヌタ場攻略の為にシューズを履
き代えることにした。沼の底がどうなっているか解
らない以上、靴の水没は免れない。あの臭い沼に
高い靴やブーツを水没させるのはたまったもので
はない。以前に自作した沢靴にネオプレーンソッ
クスに履き替える。ついでにズボンも水没させるの
が嫌だったのでこれを脱いで、ユニクロ謹製ヒート
テックタイツ一丁という無敵装備で臨むこととした。
 

2006年大見尾根ヌタ場突入の悪夢
wmv形式動画ファイル1.14MB
2007年CT110泥沼ニ突撃ス!!
wmv形式動画ファイル16.8MB
  さて、この後の突入の結果であるが動画で観てい
 ただきたい。今回の一部始終をグロメク氏が動画
 で編集してくださったのである。現在高画質でニコ
 ニコ動画の方にもアップロードするべく鋭意作業中
 とのことである。このような素晴らしい動画を作成、
 提供してくださった氏にはただただ感謝である。

 今回、久しぶりにハンターでダートを走ってきたが、改めて乗っていて楽しいバイクであることを
思い知らされた。こうして出来上がった動画を観るのも実に面白い。ただこの後ハンターのエンジ
ンが絶不調になり、メンテナンスしてみたら点火時期が有り得ないくらいに狂っていたのであった。
さすがは大見尾根である。今まで何度も行っているが無事に帰れたことは皆無である。

そして来年はカメラ二台体制で矢ノ川峠突破をする計画が浮上してきているので期待していただ
きたい。しかしいよいよ今度こそは我が81式ハンターが大破するのではと戦々恐々とする日々だ。

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