夏の日のハンター2〜徳山ダムと門入再訪〜
列島各地に甚大な被害を与えた長雨も終息し、東海近畿の梅雨明けが宣言されたのは7月ももう終わ
ろうとしている頃だった。仕事は繁忙期のピークを迎え、私事は片付けなきゃならないことのオンパレ
ードでとてもじゃないが今年の夏は趣味道楽にふける時間など皆無と覚悟していた。
ちょうどその頃に建設中の徳山ダムが今秋より試験たん水が始まるとの報が入ってきた。それに伴い
周辺の道路も通行止め措置が取られるとのこと。いよいよ徳山村がダムの湖底に沈むのである。
11月に新ホハレ峠王子製紙作業道を探索予定であったのでダム完成後に果たしてR417側から門入へ
アクセスできるかどうか 、昨年秋に途方に暮れ歩き続けた町道やあの九十九折れの国道をもう一度この
目に焼きつけておきたくなった。肉体的にも精神的にもバテていた8月最初の週末、私事をそっちのけ
てハンターにテントとシュラフを積んで走る自分の姿があった。
徳山ダムへのアクセスは琵琶湖西を北上しR303に入り八草トンネルを 通って岐阜県入りするつもりであった。しかし八草トンネルの先、岐阜県 側で崩落があり全面通行止だったのである。バイクなら通してもらえるん でないか、旧道の八草峠を迂回できるのではないかなどと甘い目論見でト ンネルまでやってきたが、トンネル旧道ともに土のうとコンクリートブロ ックで完全封鎖されていたのであったorz やむなくR365を南下しR21へ 抜け大垣よりR417を北上するルートを取ることにした。大幅な時間、そ して体力をロスすることとなる。まだ朝の9時前であったが既に気温は30 ℃を超えていたからだ。徳山ダムのある揖斐川町は連日列島の最高気温を 記録しており、まさにこれから日本で一番暑いところへ向かおうとしてい たのである。やはりホハレ峠を越えずとも門入への道は険しいのだ。 |
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はてさて門入と言えばこの人グロメク氏である。東 北地方を旅していたはずなのだが、突然南下して九州 四国を目指すことにしたらしい。そして今回の徳山ダ ム試験たん水の報に急遽立ち寄ることにしたと言う。 久々に会った氏は長旅を続けていたにも関わらず相 変わらず爽やかであった。旅先では休憩ごとに道の駅 などでソフトクリームなんかを頬張り、現地で知り合 ったおねーちゃんとよろしくやっているのかと思いき や、東の横綱級廃道万世大路を探索するなどストイッ クかつハードボイルドな旅を敢行しているとのこと。 |
そして昨年地獄の行軍をした九十九折れの坂も門入 までの村道も原動機付きの車両をもってすればあっけ ないものである。ところどころで工事車両が作業して いたので、これはダム完成後も門入までのアクセスは 確保されるんじゃないかと希望的観測をもたらしたの である。この時はまず大丈夫だと思っていたのだ。 これで秋に控えているホハレ新道の探索も心配する ことはない。本日の視察任務は完了である。 それにしてもかなり深い山あいに居るにも関わらず暑 さは半端なものではない。エンジンより先に運転手の 頭の中がオーバーヒートしてしまったのである。 |
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探索はおろか走り続ける気力もすっかり萎えてしま い門入の路上河川で水遊びをする始末である。水辺を 走るハンターはとても絵になる。 実に清々しい。全く 大見尾根の大ヌタ場とは偉い違いである。 結局この後 ずっとこの路上河川でハンターもその運転手も水浴び を楽しんでいたのであった。しかしこれではいけない と、ホハレ峠へと続く道にハンターで分け入ったが、 すぐに道が完全に決壊しておりこれ以上進まなくてよ いと安堵するのであったのだ。廃道特攻隊が二人もい るというのに本当に情けない限りである。 |
それにしても異常な暑さである。この日も列島の最 高気温を叩き出したのは岐阜県であり、原動機付きの 車両があるにも関わらず昨年秋の探索時と同じくグロ メク氏も私も動く屍と化していたのであった。日が暮 れ始めると幾分涼しくなってきたので横山ダムの上流 に移動してテントを構えることにした。夕飯は私がチ キンラーメン、グロメク氏が塩ラーメンを持参してい たのでこの2つの即席ラーメンをブレンドして食すこ とにした。なんでもどこぞの教授がこの2種のブレン ドが絶妙に美味いと論じておられるとのこと。私は普 通に美味いと思ったがグロメク氏は憤慨していたww |
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