国内仕様CT110の12V化

 以前から是非ともやろうとしていた改造のひとつが 
ハンターカブの6V電装を12V電装に換えることであっ
た。6V電装で私が感じていた泣き所として「ライトが
暗い」「ウインカーがアイドリング時やブレーキラン
プ点灯中に点滅しなくなる」「電球類の入手が困難」
などが挙げられる。数多くのハンターのオーナーさん
は12V化しておられるのだが、これは豪州仕様の話。
 国内仕様と豪州仕様(逆輸入車)では発電、充電回
路が若干異なっておりインターネットの検索で辿り着
ける豪州仕様車の12V化のようにはいかないのだ。


 しかしながら最近になって国内仕様ハンターの12V化に成功された方がいると知り、またほとんど
同じ回路と思しきモンキーやダックスの6V車を12V化する手順が紹介されているページを見て、この
通りにやればできるのではと考えた 。そして遂に信号待ちの時に点滅しなくなるウインカーに耐え切
れず国内仕様ハンターの12V化に踏み切ることとした。


国内仕様車のシリコン整流器
  国内仕様と豪州仕様の発電、充電回路の最大の違いは、豪州
 仕様車にはついているレギュレーターが国内仕様車には無いと
 いうことである。綿密には国内仕様車にはシリコン整流器とい
 うものがついていてこれがレクチファイヤとして使われ、バッ
 テリーがレギュレーター代わりになっているとのことである。
  あと国内仕様車はポイント点火式であるのだが(豪州仕様は
 CDI点火)、こちらの方は12V化するにあたって特に問題は無
 いようである。


 12V化するにあたって用意するものは以下の通り。

・12V車についているレギュレーター(12Vカブ用をヤフオクで入手。後日、APE100用のものに交換)
・12Vのウインカーリレー(ヤフオクにてレギュレーターとセットで出品されているものを落札)
・12Vバッテリー(MFバッテリーのYT4L-BS。ケースに合うのがこれだったので)
・バッテリーケース(カブ用のものをヤフオクにて入手)
・12Vのホーン (端子が2つあるもの。最初誤って1つ端子のものを入手してしまったorz)
・各種電球類(なるべく6Vの時のw数とあわせるようにする)

 手順としては簡単である。

・ シリコン整流器を外しそこに繋がっていた赤線をレギュレーター端子左上、白線を左下に結線する。
・ジェネレーターから来ている黄色の線を分岐させてレギュレーター端子右上に結線する(私の場合は
 キボシ端子を使って黄色線を分配させてレギュレーターに繋いだ)
・レギュレーターの右下端子は適当なところにアースする。
・ウインカーリレー、ホーン、バッテリーを12Vのものにごっそり交換。バッテリーには10Aのヒュ
  ーズをつける(6Vバッテリーについてたものをごっそり移植)
・電球類も全て12Vのものに交換。


レギュレーターにはカプラーとキボシ端子を使って結線した
 


左上にシリコン整流器に繋いであった赤線
左下にシリコン整流器に繋いであった白線
右上にジェネレーターから来ている黄色線
右下は適当な場所にアースさせる


 以上の要領で作業を完了させ、早速エンジンをかけてみる。ウインカーやニュートラルのインジケー
ターが物凄く明るくて感動!そしてヘッドライトのスイッチをオン。メチャクチャ明るいではないか!
と感動したのも束の間…すぐにヘッドライトは消えてしまう。バルブが切れたのだ。
 配線にミスは無かったかどうか念入りに調べるも特に問題は無い。レギュレーターが壊れているので
はと思い、テスターで電圧チェックするも異常は無かったのである。途方に暮れつつ12V化に挑んでか
ら既に4つ目になる切れたバルブを取り出そうとヘッドライトのソケットに目をやるとキボシ端子のと
ころが焦げているではないか。早速テスターで通電チェックをするとソケットの白線が断線しているよ
うなのだ。これが原因ではないかと思い、すぐさま新品のソケットを入手。念の為にレギュレーターも
程度の良さそうなAPE100用のものをヤフオクにて入手し交換した。更に焦げたキボシ端子も新しいも
のに付け替えてリトライしてみたら無事にヘッドライトも点灯するようになった。


上が断線していた古いソケット
 
12Vのカブ用バッテリーケースがすっぽり収まる
ウインカーリレーはフレーム内部にタイラップで固定

 12V化して良かったのはやはりウインカーの動作が安定していることである。今まで信号待ちの時な
どに後続車に物凄い気を使っていたのだがこれで安心である。ヘッドライトはホンダ純正の25w/25w
のものを使っているので劇的に明るくなった程では無いのだが、今度35w/35wのものをつけてみよう
と思っている(社外品のお高いハロゲンのものをお釈迦にしているのでしっかり安定するまで様子を伺
っているのである)。また発電能力が6V用のものだったことで乏しいと思われるので、充電器による補
充電をこまめにしなければならないと考えている。またこのマシンが生産されてから20年以上経過し
ていることからハーネスなどの配線類が相当劣化しているのは明白である。キボシ端子などはペーパー
で磨くなどして接点を復活させる応急処置をとってはいるが、ごっそり新品に換えた方が賢明である。
 とにもかくにもかなり苦戦を強いられたが国内仕様ハンターでも12V化できたことをここに証明する。

(*) 最初にヘッドライトバルブが切れたのは、どうやらレギュレータが不良品だったものと思われる

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